テニスの4大大会の1つである全米オープン(US Open)を2023年8月末にニューヨークで観戦してきました。

この記事では、大きなテニスの大会の観戦が初めてであった私の視点から、席の予約方法やおすすめの席、持ち物や楽しみ方をご紹介します。

開催場所・スケジュール

ニューヨーク・フラッシングにあるUSTAビリー・ジーン・キング・ナショナル・テニス・センター(USTA BiIlie Jean King National Tennis Center)で、8月末から9月初めにかけて2週間の期間で開催されます。

マンハッタンからは、地下鉄7番線で約30分ほどで到着します。最寄り駅のMets-Willets-Pointからは徒歩すぐです。ニューヨークの地下鉄は24時間運行しているため、試合終了が深夜になっても地下鉄を利用できます。

1回戦から4回戦(Round of 16)までは、トーナメントの片側ずつ試合が1日おきに行われます。初日にトーナメントの片側が1回戦を行い、2日目はトーナメントのもう片側が1回戦を行い、3日目は初日に試合を行った側が2回戦を行う、という流れです。

大会の前週にドローが行われ、それまではどの選手がどの日のどの時間帯の試合となるか分かりません。

チケットの種類・席の予約

スタジアムの種類

コートは大きく分けて5種類あります。メインスタジアムであるアーサー・アッシュ・スタジアム(Arthur Ashe Stadium)、2番目に大きいルイ・アームストロング・スタジアム(Louis Armstrong Stadium)、3番目に大きいグランドスタンド・スタジアム(Groundstand)、フィールド・コート(No.4~17)、練習コートです。

これらのうち、アッシュ・スタジアムは指定席チケットのある人のみ入場できます。アームストロング・スタジアムとグランドスタンド・スタジアムは、指定席と自由席が存在します。指定席の方がよりコートに近く、自由席は2階席などコートから遠くなります。フィールド・コートは自由席のみです。

また、アッシュ・スタジアムとアームストロング・スタジアムは屋根が開閉式となっており、雨天時にも試合が行われます。

チケットの種類

チケットは、アッシュ・スタジアムの指定席、アームストロング・スタジアムの指定席、グランドスタンド・スタジアムの指定席、自由席のみ利用できるグラウンドパス(Ground Pass)の4種類あります。また、アッシュ・スタジアムとアームストロング・スタジアムは昼間のみならず夜も試合が開催されるため、デイ・セッション(Day Session)とナイト・セッション(Night Session)に分けて指定席が販売され、入れ替え制となっています。グランドスタンドとフィールド・コートでは夜の試合はありません。

まず、グラウンドパスについて説明します。これは、全米オープンの会場に入り、自由席のみで観戦できるチケットです。つまり、アームストロング・スタジアムの自由席、グランドスタンド・スタジアムの自由席、フィールド・コートで観戦できるものです。また、練習コートを見たり、会場内のお店を利用することもできます。

3つのスタジアムの指定席チケットは、グラウンドパスでできるすべてに加え、決められたセッションに指定の席で観戦できるチケットです。例えば、アッシュ・スタジアムの指定席チケットは、アッシュ・スタジアムの指定の席で観戦できますし、他のスタジアムの自由席で観戦もできます。関心のある選手や試合運びに応じて移動ができるというわけです。

また、一度会場に入ってしまえば、その日1日はずっと会場にいることができます。すなわち、アッシュ・スタジアムのデイ・セッションの指定席チケットは、ナイト・セッションのアームストロング・スタジアムの自由席を利用できます。しかし、ナイト・セッションの指定席チケットで、デイ・セッションの時間帯に入場することはできません。

チケットのカバレッジの範囲から、一般的にアッシュ・スタジアムの指定席チケットが最も高く、その次がアームストロング・スタジアムの指定席チケット、グランドスタンド、そしてグラウンドパス、という順となっています。

また、1回戦のチケットが最も安く、大会が進むにつれて価格が上がる傾向にあります。

チケットの予約

Ticketmasterというウェブサイトが、6月上旬から販売を開始します。しかし、販売開始日に購入する必要はありません。それは、同サイトは大会日程が近づくにつれて残りのチケットをリリースすることがあるからです。また、同サイトは公認の転売チケットも扱っており、大会日程まで転売が行われることがほとんどです。そのため、販売開始日に慌てて購入する必要はありません。なお、転売されたチケットは誰でも買えますが、買ったチケットを転売するには米国内に銀行口座を持っている必要があります。

チケットの価格は一定ではなく適宜変化します。それは転売チケットのみならず、販売サイトが売っているチケットもです。6月上旬から8月下旬まで、この時期が最もお得、というような傾向はないようで、定期的にチケット価格を見ながら自分で相場を把握していく必要があるようです。

私の場合は、販売開始からしばらく様子を見て、個人的に割安だと感じたため6月中旬に公認の転売チケットを購入しました。

また、購入したのはデイ・セッションのチケットですが、ドローの後にナイト・セッションのアッシュ・スタジアムの試合も観戦したくなりました。試合の2、3日前からチケットの価格を見ていたところ、当日まで徐々に下がっていった座席もあったため、当日の午後にナイト・セッションのチケットも追加購入しました。

価格の変動については決まった傾向はないようですので、あくまで個人の経験談としてご理解いただき、実際に購入される際にはご自身で相場を把握いただければと思います。

チケット・席を選ぶ際のポイント

傾向として、ランキングの高い選手がより大きなスタジアムで試合を行うことが多いです。そのため、1位、2位といったランキングの選手を見たい場合はアッシュ・スタジアムの指定席チケットを購入することになるかと思います。ただし、前述のとおりドローが行われるまでどの日のどの試合にどの選手が出るかは分かりません。

選べるのであれば、デイ・セッションのチケットを購入しておくと、朝から夜まで会場にいることができるので、昼はいずれかのスタジアムの指定席で観戦し、夜のアームストロング・スタジアムの試合を自由席で見て帰る、ということもできます。

そして、コートから席までの距離も席を選ぶポイントです。大きなスタジアムの一番後ろの席では、試合はあまりよく見えないかもしれませんが、試合の雰囲気は楽しめるかもしれません。他方で、強豪選手でなくても、コートの近くで観戦すれば選手の表情まで見えるという貴重な体験ができるかもしれません。また、コートサイドであれば、ラッキーなら試合後に選手からサインをもらえるかもしれません。

私は、とにかく試合を間近で見てみたいという思いがあったため、比較的安価な1回戦の日の、デイ・セッションのアームストロング・スタジアムのコートサイド2列目の指定席を予約しました。テイラー・フリッツ選手などの表情も見ることができ、サインももらうことができました。

特に、アッシュ・スタジアムのコートサイドと、その次の階の席であるロージ(Loge)とでは、コートからの距離の感じ方が大きく違います。それは、間に個室の観戦席が2階分があり、高さがあるからです。

アッシュ・スタジアムのLogeの最前列からの眺め
アッシュ・スタジアムのLogeの最前列からの眺め
アッシュ・スタジアムのコートサイドの後方からの眺め
アッシュ・スタジアムのコートサイドの後方からの眺め

また、デイ・セッションの場合には、太陽の方角もポイントです。天気のいい日には長時間直射日光を浴びることになってしまいます。南から西側の席は日陰になる場合が多いようです。

個人的には、デイ・セッションのアッシュ・スタジアムまたはアームストロング・スタジアムの指定席を取ると、開閉式の屋根のため雨天でも試合が行われ、グランドスタンドやフィールド・コートの自由席でも観戦できるほか、ナイト・セッションのアームストロング・スタジアムの自由席にも入ることができてお得かなと感じました。

コートに近い席がおすすめですが、いずれのチケットも高額であるため、予算と相談しつつ、変動するチケット価格をウォッチしていくのがよいのかなと思います。

持ち物

大きな手荷物(リュックも含む)は入口で預けなければなりませんので、ワンショルダーバッグやトートバッグなどの利用がおすすめです。荷物預かりは有料となっており、米国発行のアメックスのクレジットカードがあると1つ無料になるようです。

暑い中で長時間観戦することになるため、水分補給は重要です。会場内で購入すると非常に高価なため、ペットボトルを持参することをおすすめします。

また、日差しを遮るための帽子や薄手の上着、薄手のタオルもおすすめです。

楽しみ方

Fan Week(ファンウィーク)

大会直前の1週間はファンウィークというイベントが開催されています。名前やメールアドレスなどの事前登録は必要ですが、無料で大会の会場に入ることができます。

この期間には、有名選手の練習やインタビュー、アッシュ・スタジアムに無料で入れたり、子ども向けのセッションがあったりと、毎日イベントが行われています。ジョコビッチ選手やアルカラス選手の練習が間近で見れたりしますので、関心がある方にはおすすめです。

また、グッズのショップも営業しているため、大会開始より前に人気のグッズを入手することもできます。

サインをもらうには

サインがもらえるかは運次第ですが、もらえるとすれば試合や練習が終了して選手が退出する直前のベンチ裏です。グランドスタンドには入場していないので分かりませんが、アッシュ・スタジアムならコートサイドの指定席、アームストロング・スタジアムなら指定席のチケットがないと、ベンチ裏まで行くことができません。反対に、ベンチ側の席のチケットでなくても上述のチケットがあればベンチ裏まで行くことは可能です。特に人気選手の試合の終盤になると、サインを狙う人たちが空席に移動したりしています。

選手はペンを持っていますので、自分でペンを準備しなくても大丈夫です。会場内のショップで購入できる大きなテニスボールにたくさんのサインを集めている子どもたちがたくさんいました。大きなテニスボールでなくても、普通のテニスボールや全米オープンのその他のグッズ(キャップなど)にサインをもらっている人もいました。

たくさんの人が押し寄せる一方で、長時間の試合で選手が疲れていることがほとんどです。あくまで、「もらえたらラッキー」という気持ちでいるのがいいと思います。

私は運よく、ジョコヴィッチ選手やテイラー・フリッツ選手のサインをもらうことができ、とても嬉しかったです。

最後に

全米オープンのチケットはいずれも高額ですが、白熱した試合を目の前で見られてとても楽しかったです。サインをもらったりという貴重な経験ができることもあるので、テニスが好きな方は機会があればぜひ観戦しに行ってみてください。

ご参考:ホテル

ニューヨークには様々な系列の多くのホテルがあるため、特定のホテルを紹介する必要はないと思いますが、ご参考までに私が宿泊したことのあるホテルを紹介します。

※以下、プロモーションを含みます。

【Expedia】クラブ ウィンダム ミッドタウン 45

クラブ・ウィンダム・ミッドタウン45は、USオープンの会場に行ける地下鉄7号線も通っている、グランドセントラル駅から徒歩5分程度の立地です。グランドセントラル駅の周辺は治安もそこまで悪くないとされています。

ウィンダム系列のホテルであり、必要なアメニティが揃っていながら、類似のホテルと比べて多少安価であったため、宿泊しました。1階には共用ではあるものの電子レンジがあるほか、コーヒーサービスもありました。

デメリットとしては、ロビーが狭いこと、ウィンダムのタイムシェアの会員に関する勧誘がされること、ホテル周辺は夜は人気(ひとけ)があまりないこと、が挙げられるかなと思いました。

タイムシェアの会員に関する勧誘は、チェックイン後にエレベーターに乗る直前に担当者から話しかけられます。90分の勧誘セッションに参加すると、150ドル分のUberクレジットがもらえるとのことですが、限られた時間でニューヨークで有意義に過ごす方が価値が高かったため、丁重に断りました。

最初のみこのようなやり取りが必要になりますが、一度断ってしまえばその後は特になにも話しかけられませんでしたので、気にするほどでもないと個人的には思いました。

ホテル周辺は夜は人気(ひとけ)があまりなく、たまに乞食のような人がいたりもしますが、危害を加えられるような印象を覚えることはほとんどなく、全体的に治安は悪くないと感じました。また、入口にはセキュリティもいました。

部屋の清掃は清潔で、ホテルでは寝るだけであれば十分快適に過ごすことができました。たまたまアクセシブル・ルームだったためか、部屋も狭すぎるということはありませんでした。

もし利用するホテルに迷われた際には、参考にしていただければ幸いです。

【Expedia】クラブ ウィンダム ミッドタウン 45

カテゴリー: アクティビティ

0件のコメント

コメントを残す

アバタープレースホルダー

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA